頚椎椎間板ヘルニアについて
しびれについて
外から皮膚に刺激を与えることでわかる感覚の障害
知覚鈍麻(低下)、知覚脱出
からだの表面には表在知覚といわれる触覚、温・冷覚、痛覚があり、それらがわかりにくくなったり、わからなくなった状態を知覚鈍麻・知覚脱出といいます。
これを診断するには
- 触覚
筆先を軽く押しつけてみる(横に動かすと感じが鋭敏になるので押すだけにする) - 痛覚
ルーレット(洋裁道具のひとつ、柄の先に歯車のついたもの)を転がしてみる。
知覚過敏、錯知覚
外界からの刺激を正常以上に強く感じたり、さわっているだけなのに痛いと感じたりする不快な感覚です。正座を解いた後や、神経損傷の回復期や、脊髄空洞症、脊髄癆などの病気で経験されるものです。 患者自身がジンジン感、ビリビリ感など自覚する場合
異常知覚

外からの刺激がないのにしびれを自覚するもので、かゆい 、ムズムズする、痛痒い、ビリビリ、ヒリヒリ、ジンジンすると表現されることが多い不快な感覚です。これらは単独ではなく、重なって感じられたり、動かない(麻痺)や、痛みや冷たい(循環障害)などのしびれ以外の症状を伴うことが多いです。
しびれや感覚の鈍さだけでなく、筋肉の落ちや動きの悪さや脱力など運動神経の障害をともなっているか否かが、整形外科では治療を要するしびれと、放っておいてよいしびれとの分かれ目となります。
関連リンク
- 帝京大学健康ステーション>神経内科
- 整形外科、内科、手の外科などさまざまな科を受診しても原因がわからなかった、指先にしびれや筋力低下のある女性の問診や触診、筋電図検査などの様子を例にとりながらしびれの原因を突き止め適切な受診科へと導くまでの様子を動画で見られます。
- >#111 痛みの相談治療室
- 肩から手にシビレのある患者さんの治療の様子を動画で見られます。
中枢性のしびれ
脊髄障害によるしびれ
脊髄神経は、末梢神経の分布とはまた別に、それぞれ一定の皮膚領域と関連しています。脊髄がある位置で障害されると、そのレベルあるいはそれ以下の領域の感覚が障害されます。ここで、痛覚・温冷覚と触覚・深部覚は脊髄内で伝導路が異なるため、脊髄のどこが侵されたかによって感覚障害の内容が異なってきます。指の動きが鈍い、箸で食事がしにくい。つまづきやすいなどの症状が伴います。
頸椎からくるしびれとこわばりの特徴
- 頸椎に負担をかけたとき(首を後ろに反る、深く頷く、起床時)に手や足のしびれが出たり、強くなったりする。
- 負担を軽くするとしびれが軽減する。
- 指先、特に親指や小指から始まる一側性のしびれ(神経根の圧迫が原因)
- 原因として
- 脊椎の変形(頚椎症、腰椎症)
- 椎間板ヘルニア
- 脊柱管狭窄症
- 後縦靱帯骨化症
- 脊髄炎
- 脱髄疾患(多発性硬化症ほか)
- 慢性関節リウマチ
- 血管障害
- 頚髄腫瘍
- 透析を受けている方では破壊性頚椎関節症など
- 外傷など
これらの診断には、脊椎 X線写真、脊髄MRI、脊髄造影、髄液検査などが用いられます。
末梢性のしびれ
末梢神経は、体全体の皮膚に分布しています。1本または数本の末梢神経が外傷、圧迫などで物理的な障害を受けた場合、その支配神経領域に一致して感覚鈍麻などが認められます。それぞれ絞扼部をたたくとしびれている所に向かって異常知覚が走るのも特徴です。
- 原因として
- 胸郭出ロ症候群
- 手根管症候群
- 肘部管症候群
- 尺骨神経麻痺
- 外側大腿皮神経麻痺
- 頚椎椎間板ヘルニアの神経根圧迫型
- 末梢神経が広範に侵される多発神経炎
- 全身性の内科的疾患(糖尿病、膠原病、ビタミン欠乏など)
- 中毒(薬物、有機溶剤など)
- 感染症、悪性腫瘍など
痺れは四肢末端部に障害が強く、手袋および靴下を身に付けたような部分に症状が出ます。しびれの分布から末梢神経障害が疑われる場合、末梢神経伝導速度の測定、針筋電図あるいは神経生検などを施行して、障害の有無、重症度などを検討し、原因診断や治療効果・予後の判定に役立てます。
脳幹、視床、大脳障害によるしびれ
感覚の伝導路は、脊髄を経由して視床に達するまでに左右交叉するため、通常、視床、大脳の障害では、病変のある側と反対側の半身(顔面を含む)の感覚低下をきたします。例えば、左大脳半球に脳梗塞があると、右半身がしびれます。なお、脳幹に病変がある場合には、顔面は病変と同側がしびれることがあります。
- 原因として
- 脳血管障害(脳梗塞、脳出血など)が最も多い
- 腫瘍、脳炎など
頭部 CT、頭部MRI、脳血管撮影、髄液検査などで診断されます。
その他の原因によるしびれ
- 血液の循環障害によるしびれ(閉塞性動脈硬化症など)
- 症状として四肢末梢の異常感覚に加え、冷感や皮膚色の変化および末梢動脈の拍動減弱などがみられます。
- 精神的なストレス(心因性)によるしびれ
- 感覚障害の範囲が神経の分布に一致しないという特徴があります。
しびれの治療
- ビタミン剤(B1、B12など)
神経線維の栄養補給・再生促進のために用います - 血管拡張剤
神経栄養血管の循環改善を目的に用います
症状が強いときや痛みを伴うとき
- 鎮痛剤
- 抗痙攣剤
- 抗うつ剤(SSRIなど)
- 理学療法や神経ブロック
外傷・圧迫性のものでは、外科的な治療が必要となることもあり、糖尿病など全身性の疾患に合併するものや脳疾患では、その原疾患の治療が最も重要となります。また、血中の自己抗体などの関与する免疫性の疾患では、副腎皮質ホルモンや免疫抑制剤の投与、血漿交換などを行います。しびれをきたす原因のなかには、診断・治療に緊急を要するものもあり、専門医療機関への受診をおすすめします。

